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甘い生活
初見、あまりの退廃的でぐだぐだした内容にフェリーニの幅広さを感じつつも
好みの範疇ではない作品でした。
何年ぶりに見なおすと年齢を重ねたせいかもしれないが、ぐだぐだ感というものが
「苦悩」で包まれていると理解できました。
主人公がパパラッチと近い世界で生活をしながら文筆1本で這い上がりたいと思っている意思と
現実のどうしょうもないものに流されている、海に漂う藻屑のようにフラフラしている感じが
うまく表現されていると思います。
マリリン・モンローの投影のような女優が現れ、スターの表と裏の悲哀を見せてくれたり
アヌークエーメが演じるセレブの一女性像が別の意味で哀れだったり
人間賛歌が上手いフェリーニ作品のなかで、輝く世界に身をおいている人間達の弱さや
愚かさや孤独を突き放すことなく、かといって同情でもなく、適度な距離で描いてると思います。
甘い生活で凄いと思ったのは、美術の部分。衣装。
美しいです。本当に。モノクロ映画ですが、ファッションが映画にどのような効果をあげるのか
よくご存知で感心します。
数十年前の映画を見なおすと、どんなに評判の良い作品でもファッションやインテリアに手を抜いている映画は安っぽく観えてしまうんですよ。
マルチェロ・マストロヤンニのスーツ姿は、今のチョイ悪だの、そういう雑誌でも充分にとりあげられる
ダンディさですよ。
いや雑誌が安っぽいか・笑
81/2と似た主人公の苦悩をマルチェロ・マストロヤンニが演じていますが、救いが少ない映画です。
最後、無垢な少女が彼に語るシーンが大好きです。
マルチェロには少女の声が聞こえない。
救い を体現しているような少女
聞こえない主人公
かなり抽象的なシーンなのですが、これまでのぐだぐだ感が最後の清涼剤のような少女の存在で
幕を引くやり方はさすがです。
初見よりも好きになった作品です。
年を重ねれば重ねるほど好きになるかもしれないなぁ
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