俊寛

初めて能楽堂に行きました。能を観劇するのは2回目で、1回目は市民会館なので本場の音響と比べるものではなく・・・
能は能楽堂で観ないとダメですね。うん。

初めて観たときも感動したのですが、いかんせん文楽へまっしぐらになってしまったため
あの感動をもう一度という気持ちがありました。

俊寛は能楽では異色の作品だそうで・・・
何故だか忘れましたが、能は大抵死霊がメインだけど俊寛は違いますからね・・

わたしは文楽の俊寛のイメージで考えていたのですが、
いやいや能の俊寛はかなり枯れていて、あの能面が表現する複雑な表情が弱さや孤独や
執念やら、いろんなことを感じさせられました。

文楽も能も人間ではないモノで表現されているにもかかわらず
ともに異質なんですよね。言葉にするのが難しいです。

■文楽の俊寛
08-06-23_22-23~00


■能の俊寛
08-06-23_22-23.jpg


こんなにも違う・笑
文楽は猛々しさが漂っていますが、能は複雑な表情です。

能面の効果は素晴らしいです。光の加減で表情が変わるように見えるし、文楽人形と違うつくりだと
実感しました。モナリザのように万人に色んな想像をかきたてられる表情を持っているんですね。

あと印象的だったのは能楽が深い心理を表現しているところ。
音で場面転換を表現している部分もあるようですね。
音と言えば、能楽堂が静寂に包まれることで、主客一体となって演目の世界へ没入できます。
とにかく静寂をつくろうという、能動的な姿勢が無意識に生まれてしまう。
すり足の音さえも、物語にとって重要かのごとく。
神妙な雰囲気がでるため宗教性と深く結びついている芸能だなぁと実感しました。

反対に文楽は情念を大衆的に表現していると思ってしまった。
どっちがどっちということはしませんが、俊寛という人物像の切り取られ方が異なっていて
面白かったので、今後も双方に存在する演目を追ってみようかと。

能は光が大切な役割を果たしていますね。
薪や蝋燭で演出するというのも納得です。

幽玄の世界をちょっとわかったような、そんな一日でした〜

乾山の芸術と光琳@京都文化博物館



櫻が満開で大賑わいな木屋町でした。高瀬川に咲く櫻は風情がありました。

さて、展覧会ネタですが、
乾山と光琳が兄弟であるという予備知識もなく行ったという体たらく。
素人同然から築き上げた乾山焼なんですね。知らなかったよ・・・
絵師でいえば若冲みたいだな・・
この人の作品は面白いデザインが多くて、いまでは普通にコラボで済んじゃうんだけど
でも当時は革新的なやりかただったんですね。
野々村仁清と近い間柄というのも納得です。影響が垣間見れました。

光琳が描いたものが釉薬で流れることなく、うつしだされている技術力に驚きました。
京風のデザインは時に饒舌で、わたしは美濃焼・信楽・伊賀・備前の素朴さを求めるときが
あるのですが、今日の乾山のスタイルを眺めていると、
饒舌なのではなく、面白がって遊んでいる感じが伝わってきました。

京都はセーブル焼を日本で最初に真似たり、新しモン好きの気質がよくわかります。
だから、その気質を楽しむというスタンスで京焼に接するのもいいかもしれないな・・
楽焼のような精神世界を感じるものもあるので、
この土地が生み出すものは許容範囲が広いんですね。

織部・美濃などを学んでいる部分も見受けられて、アレンジ力が強い人だと思いました。
また、料理を盛っている写真を見ると、日本料理の美が発揮されていて
単にデザインが面白い器だけを作っているのではないことはわかりました。
いまこの兄弟が生きていたら・・・何をしてくれたでしょう・笑
そういう妄想が入って展覧会をあとにしました。

↓帰りに購入した和柄のナイロンバッグ
和柄がナイン産絨毯の柄に負けておりません。さすが図案がしっかりしているだけあります。
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西陣で使用されていた古来の図案を用いて現代風にアレンジしたショップで購入しました。
ミズノやワコールなどの京都本社のブランドともコラボしているそうです。
こういう「遊び」が好きですよね、この土地は・・笑
わたしもこういうのが大好き。

展覧会でそういう気分を楽しんだ後だったので、普通のショップにそういう精神に出くわすと
京都ブランドの底力に触れて、ちょっと興奮しました。

トプカプ宮殿の至宝展 @京都



京都文化博物館
文明の遺産物の展示は見るべし!と今回も実感しました〜
金持ちの定義がわからなくなるのは確かですね・笑

今回は細密な彫金を堪能できました。
2年前のオスマン帝国展示のような度肝を抜かれた衝撃はなかったのですが、それでもスプーン等の食器に宝石を施す財力に眼をみはります。

展示が女性の装束をメインにしていたため、現代でも通用しそうなブーツの細工や耳飾・ネックレスのデザインは素敵でした。

あの時代の女性は、社交場といえば入浴場だったそうで。
湯上りに見栄をはる場所だったということが、身体を拭くタオル類に金糸・銀糸を施しているという不自然さで伝わりました・・
あんなタオルで身体を拭いたら痛いやん・・苦笑

ほかに短剣やコーランの入れ物は宝石だらけ・・オスマン帝国の常識!
でも、やっぱり短剣は2年前のモノが凄かったです。
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トルコ三大文明展
↑コレコレ
未公開短剣の宝石の大きさったら!どんだけ〜〜
他にも馬の鐙に宝石入れるのかよーって、突っ込みところが多かった展覧会だったな。

2年前の文明展は、スルタンてば凄いんだぞ〜感が前面にあったのですが
今回の至宝展では、スルタンは権力が失墜することを想定して、彼等は手に職をつけているという事実を公開していました。
螺鈿細工の楽器や家具を創っていたそうな・・
堅実な人間らしい側面に触れることができました。
昔は継承順が決まっていなかったから、兄弟間の争いのうえ負けた兄弟は皆殺しするのが当たり前だったそうで・・。
後期は年長順になったそうですが。
栄枯盛衰を一番知っていたのがスルタンだったのかも。

オスマン帝国の文化で面白いな〜と毎回思うのが
彼等の中国陶磁器好きなところと、勝手に手を加える美意識です。
景徳鎮産の高価な陶磁器に金やダイヤモンドをちりばめたり
カスタマイズする楽しみをご存知のようで・・笑
そうすることでアラビア製に見えるのが不思議。
改めてヨーロッパ・アラブを席巻した中国陶磁器の強さに触れたのでした〜

細密画も公開されていて、空間恐怖症かと疑うぐらいの繊細なデザイン。
人物画も数点あり、当時のイェニチェリ画に思いを馳せ・・
そう、軍隊行進曲・爆
イェニチェリは最強の軍隊で、ヨーロッパの軍隊から恐れられていたんですねー。

■トルコ軍隊行進曲

北欧モダン デザイン&クラフト展@京都

http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/exhibition/images/nor1.pdf
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/exhibition/images/nor2.pdf

京都に行くと「アンジェ」に寄ることがおおく、生活に美と楽しさを与える北欧デザインに触れるにつれ、その無駄のない美しさが好きになり、北欧への関心が高まっていたので、必須の展覧会でした。

木の優しさと品性が磨かれたような作品群。
椅子のコーナーは「座りたい〜」衝動を理性で抑えて、ちょっと本能には毒のような、しんどい気分の鑑賞でした。

陶器のコーナーはイッタラ社の作品があり、映画「かもめ食堂」を彷彿とさせるシンプルなデザイン。
アンジェで購入できる作品群があり、生活と芸術が融合できていることがリアルに実感できたのでした。

ムーミンの原画が見れて、北欧の世界観がぎゅっと閉じ込められたような展覧会だったな〜

美術展にちなんだ物販が素敵で、マリメッコの商品やムーミンシリーズが魅力的だった。ちょっと値段は高いけれどね・・

どの作品か忘れたけれど、陶芸のコーナーで東京の作家が関係していたり、北欧と日本の陶芸家がコラボしているんですかね?
ちょっと嬉しかったな。

椅子のラインがいちいち繊細かつシンプルで「いい仕事」ぶりに
感動しました。
あの曲線をずっと眺めていたかったよ。
そして、触りたかった・・
そして、座りたかった・・
体感したかったーーーーーーーーー涙

■アンジェ
http://www.angers.jp/index.html

絵画と衣装 美の名品展 

京都文化博物館がある三条通りは京都のストリートで一番好きな場所です。
あいかわらず足を止めてみて回ることが多く、平日よりもすごい歩いたと思います。翌日の今日、足が筋肉痛ですもの・笑
何故か歩きたくなる町、京都。

大丸コレクションは今回の鑑賞が2回目
だからシモネッタさんとも2回目の逢瀬でした。
初回は小さい絵であることに驚きましたが、今回はじっくりとボッティチェリの描く透明感に感心していました。
シモネッタさんは美しい人だったんでしょうねぇーー(ためいき)

青木大乗さんの静物画が印象に残っています。
色使いが気に入ったのかも。

修学旅行生のような学生が観に来ていたので館内は少し騒がしかったけど、必死に作品のメモを取っている姿はほほえましかった。

もう一つのメインは淀君の辻が花小袖の再現VTRが見れたことかな。
再現することも大変だったでしょうが、斬新なデザインに驚嘆していた関係者の声に共感しました。
ほんとうに斬新だよー
時代が求めるデザインだったんだろうな。

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街ぶらも趣味の一つ
お昼は烏丸の洒落たカフェへ
古ビルのリノベーションが多い京都  歩くと楽しい町です
Flowing KARASUMA
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小学校を有効利用した芸術センターも好きな場所
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古さが漂う廊下や階段がギシギシと軋む音が素敵。

夏は歩いていられなくなるので、貪欲に街歩きをするならば
いまが適した季節と思います。

ベルギー王立美術館展

http://www.nmao.go.jp/
印象派以外の画に飢えていたため、吸収率と学習率が高かったです。
レンブラントの師である人の作品は興味深かった。
ルーベンスの「聖べネディクトゥスの奇跡」をドラクロワが真似している作品を並べて展示してくれているのが面白く感じました。
ドラクロワがどこを中心に真似ているのか等じっくり考えてしまった。
個人的にルーベンスの細部をドラクロワにきちんと真似てほしかったのだが、ドラクロワは荒かったようにみえた・・
ルーベンスの筆跡が流れるようで美しかった。
フランス映画「女だけの都」でルーベンスがモデルとなっている描きの情景を思い浮べてしまった。
きっと、画のモデル達は難癖をつけていたに違いない・・笑

ブリューゲルのが躍動的でした。
わかってはいたけれど本物を目の当たりにすると、その躍動感が素晴らしかった。

年代の流れで追っていくと、ベルギーの作品は冬景色に魅力があると感じました。
しっかり印象派の影響を受けているのがわかったり、
派手さはないけれど重厚な家庭的な作品が多かった。

そして、最後の出口あたりにマグリットが鎮座していた。

「光の帝国」が表現している光に痺れた。
すごい光ですね。

お土産はベルギー王室御用達のお菓子
美味しいチョコレートクッキーでございました。

TAG : ベルギー

玉藻前曦袂 (たまものまえあさひのたもと)

文楽の千秋楽に行って参りました。
メインは心中宵庚申なのですが、この演目は何度か観賞していたため蓑助さんを確認するぐらいの気持ちでした。
蓑助さんの「お千代」に惚れ惚れ。それに比べて半兵衛めぇぇ
いやいや、半兵衛も悩んだんだろうなぁ

初めて観賞した玉藻前曦袂に思わず涙。
不条理だな〜
なんちゅう論理だ〜

と、思いつつも涙がこぼれてしまった。隣のオバア様も涙。涙。

初花姫と桂姫が白装束で左右にたたずむ姿は鷺のように美しかった。
首をはねることが多いのが古典芸能なので、驚きはしないが
白装束は死装束だと実感。死の準備服って現代にないから新鮮です。
初段のあらすじを読む限り唐物っぽくて観てみたいものですが
あいにく3段目からでした。
人気がある部分をすることは合理的ですが、延々と最初から最後まで贅沢に通しでも観てみたい。
何時間かかるのか想像を絶しますが、昔の芸能はそういうものだったんじゃあないかなぁ
今のようにテレビがないですしね。
この演目は次は何年経てば観れるのかな?

次は4段目も観てみたい。

文楽サイコー

TAG : 文楽

加賀見山旧錦絵



お初は凄いなぁ が一言感想です。
なんですか、お初の潜在能力というか潜在闘魂はっ!
岩藤も相当なツワモノですが、お初はそれ以上でした。

文楽で殺すシーンは人形に魂が宿っていると思うほど迫力がありますが
今回もそれを感じました。
尾上が自害した短刀を水で血を洗い流すお初
逃げる岩藤を執拗に追うお初
とどめを刺して死んでいる岩藤を殴り続けるお初

・・あっぱれ です

歌舞伎では再岩藤という演目があるそうで
亡霊の岩藤が骨から復活?らしいのですが、これを文楽で観てみたいものです。

亡霊が活き活きするのは能楽が得意だと思うし、臨場感あるので優位ですが、骨人形なんていうもので文楽が表現してくれると、滑稽な感じがでて違った趣向で面白そうだと思います。

TAG : 文楽

ポンペイ展 @ 大阪 サントリーミュージアム

美術展のなかで、時を凝縮している感覚を感じた展覧会でした。
西暦79年8月24日の日が止まった状態というのでしょうか。

貴金属で目立ったのは「魔よけ」とされた蛇の指輪や腕輪の数々。

いろんな邸宅から発掘されたものが時代の流行を感じたり
壁画も当時の信仰がわかります。
主人と奴隷の関係も興味深かったな〜
奴隷が主人から腕輪を贈られているのですが、腕輪細工が素晴らしく
当時の主従関係を垣間見たようです。

医者の持ち物である医療器具の細工に驚きました。
メスの種類が多かったので、外科技術も進んでいたんですね。

雲仙普賢岳の火砕流をテレビで見たとき、震えたのを覚えているが
19時間で6回ほどの火山噴火で火山灰が23メートル降り注がれ、一夜にして埋もれたポンペイの町。
どれだけ凄い状況だったのか想像ができない。

発掘された日常品の数々が現在の生活の営みとそう変化を感じないだけに、天災の脅威を実感しました。。。

http://www.asahi.com/pompei/

兵馬俑展 @京都文化博物館

http://www.mbs.jp/event/200610heibayo/
「始皇帝と彩色兵馬俑展」行ってきました。
すべての展示物を見終わって、怖いぐらいの独裁制というか
権力の凄まじさを感じてしまった。
1974年に兵馬俑が見つかったのは、幸運ですね。
乱世に見つかっていたら、盗難にあってたかもしれないから・・。

司馬遷の「史記」がどれほど価値があるものか、
この発掘において証明されているように思いました。
すごい司馬遷!ただただ尊敬。
司馬遼太郎さんが「司馬」を拝借する心情も少しわかりました。

初めて兵馬俑を見たのですが、正直恐かったです。
生々しいぐらいの写実性。
陶芸を趣味にしている私としては、陶俑の技術の高さに眼が@@;
兵馬俑を眺めていた周りの子供がつぶやいた「土が生きてるね!」という言葉が耳から離れません。
そう土の良さが活かされている!
想像を超える大量生産可能な組織が存在していて、技術が高い時代だったんですね〜。
人間の顔が皆違うのは有名なことですが、インド・ヨーロッパ系の顔もあったようで、始皇帝の勢力の広さが窺われます。

展示の要所に中国文化の日本への影響が展示されていたのが面白かった。
横山大観作の屈原「楚辞」等。ホンモノを展示してくれたらええのに(欲張る)
史記から生まれた四字熟語・・・受験の時に勉強したっけと思い出し。
史記の世界が日本に与えたものに思いを馳せてしまった。

西太后に負けず劣らず、昔の皇太后(呂でしたっけ?)の残虐ぶりに
女って怖え〜〜〜と、同姓ながらガクガクブルブル。
権力志向って残虐だわ。

水禽抗の水鳥の写実性にうっとりし、
ペット的可愛さが全くない狼のようにワイルドな犬の表情に時代を感じたり、全てのあの時代の世界を一瞬にして地下に閉じ込めたかのような
リアルさに圧倒されました。

以前に観たリンチェイの香港映画「英雄」で描かれた始皇帝の宮殿内部の装飾がリアルに感じました。
あの時は、監督が大作好きで興に乗った映画美術かと思っていたけど
もしや「写実的」だったのかも。
リンチェイの衣装なんて兵馬俑から出てきた感じだったな。

あぁ、西安で生の雄大なスケールを体感できるのは、いつの日やら。
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